とくダネ! / 流氷に閉じ込められたシャチ

先日北海道の知床半島にてシャチ11頭が流氷に閉じ込められ、死んでしまったニュースがありました。今日の「とくダネ!」の「微分積分」のコーナーでは その事件について、詳しく検証していました。


シャチは頭が良い事で知られる海の動物です。この時期の流氷の動きを感知する事ができないはずが無い。また、流氷に追い詰められたとはいえ 海中に潜って流氷を抜ける程度の身体能力を持っていたにも関わらず、どうして逃げなかったのか。


流氷の進行スピードが異常だったという事もあるようですが、この特集では「体力的に衰えた子どものシャチを守ろう(助けよう)とした結果、閉じ込められてしまったのではないか」という見解でした。


シャチは 子どもを守ろうとする傾向があり、群れの結束力が非常に強いのだそうです。


最初に発見された頃の影像で確認すると、岸に近い部分に追い詰められていた5頭は、まだ小さな子どもだった事が分りました。そして、子ども達に向かって氷を割りながら進んできた大人のシャチも、子ども達の側まできたものの そのまま一緒に閉じ込められてしまった。一旦 沖のほうへ逃げたシャチも、もう一度戻ってきて命を落としたのだとか。


引き上げに立ち会ったダイバーの中には、大きな氷塊に沿うようにしていたメスの下に「まるで(その氷塊から)守られるように」子どものシャチがいたのを見た方もいらっしゃったようです。


引き上げられたシャチ達は、既に解剖されていました(←凄い影像を映してくれました…)。解剖の結果、子どものシャチには内臓に影響が出るような病気があった事が確認されています。「体力の衰えた…」という見解はここから来ているようなのですが、そうでなくても身動きの取れない流氷の中、キズだらけになっているシャチたちのダメージの大きさは想像に難くないでしょう。


1頭だけ沖に逃げる事ができたそうなので(12頭の家族だったようです)、その1頭が無事流氷を抜け、早く新しい家族が見つかる事を祈るばかりです。不穏なニュースが多い中で、強く心を動かされたニュースでした。


●参考 ニュース
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20050208/K2005020802430.html
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20050207/K2005020702640.html
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20050214/K2005021400260.html