仮面ライダー響鬼

各所の感想を拝見いたしまして とうとう本編で響鬼さんが明日夢くんの事を名前で呼んだ事を知って、ちょっとショックでした。寄りによってそんな日に見逃すなんて…DVDはいつですか。


視聴者の方々の殆ど指摘しているように、明日夢が名前ではなく「少年」という呼称で響鬼さんに呼ばれていた事は製作側の意図する所であって、いつか呼称が変化する その瞬間は作品にとって重要なシーンになるものだと、私自身も思っていました。(…劇場版は今はまだ白昼夢だったと思ってます)


これまでの「響鬼*1を見ていて、響鬼さんが呼ぶ「少年」とは 安達明日夢そのものを指すのではなく、ヒーローが何らかの影響を及ぼす少年(少女)を指すのではないかと考えていました。もちろん、その中には 大人になった今だからこそ「ヒーロー」に憧れる(もしくは純粋にエンタテイメントとして楽しむ)視聴者全般を含まれている。


ひととしてまだ柔らかく、善にも悪にも傾倒していない*2安達明日夢という「少年」の存在は、ゲームでいう「主人公(プレイヤー)」と同じ「器」であり、その変数には誰もが成り得た。それは、響鬼さんが少年へ見せる背中や 今までかけてきた言葉を 単なるドラマだと割り切らせずに、リアルの視聴者の中に響かせるための良い仕掛けだったと思います。


主題歌「少年よ」で、「誰にもできないこと 見つけ出せ」、「誰でもない 自分の 生き方で」と歌われていたように、明日夢くんが「ヒーローと少年」の関係から抜け出した時に、ようやく 「僕、安達明日夢は〜」のOP前のモノローグが生きてくるんだろうな と思っていたので、本日の放送を見逃したのは 本当に辛いです…。*3


追記:「ウェブを向いて歩こうannex」( id:msktetu )さまで呼称に関する興味深い記述がありました。確かに 名前ではなく「少年」と呼ばれる事に 疎外感を感じるのも事実ですよね…。また、響鬼さん他 鬼の皆さんの呼称に関しても、彼らの仕事がいかに日常と切り離せないものであるかを示す要素だ、という部分は目からうろこでした。


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・* 以下 余談 *・
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私は そういう「器」に抵抗感なく収まってしまうタイプなので、存分に感情移入しながら響鬼を見ていました。だからこそ、キのつく少年(の形態を持つ それまでの「響鬼」の少年象へのアンチテーゼ?)が登場した時に、明日夢(=少年)に対する態度や暴言の数々には(例え作品の中で必要なことだと理解していても)腹が立ったし、日曜の朝から静かにハラワタを煮えくり返しつつも きっとキが駆逐される日が来る事を期待して今でも視聴を続けていました。


そしてその後、たちばなの面々に店内から追い出されたキのつく子を見て、ほっとした事があります。明日夢が たちばなの大人たちに守られたように錯覚して、「ざまあみろ」とでも言いたくなりました。でも、同時に そんな気持ちでこれからの響鬼を見ていく事にうんざりもしたんですよねぇ…響鬼って、そんなナナメな気持ちで見るものじゃなかったのにな。


…来週は ついにマイラブ(やめなさい)あきらちゃんに、ひとまずの決着がつきそうな感じです。色んな意味で恐い。

*1:29話以降は ちょっと違うかも知れないけど(…)

*2:没個性とは言い切れないまでも、それに近いものはあったように思う

*3:もう、モノローグもないけどサ…