龍は眠る / 宮部みゆき

龍は眠る (新潮文庫)

龍は眠る (新潮文庫)

クロスファイア」で勢いがついたのか「龍は眠る」も再読。
宮部さんの描くサイキックは皆 孤独で生き難そうなのに、優しいひとが多い。周囲からの扱いに対して、恨みとか復讐心に燃えるタイプが見当たらないから そう思い込んでいるだけかもしれないけど。サイキックとして生きる為のノウハウを教えてくれる血縁の存在があるからかなぁ。


クロスファイアの主人公は女性で、彼女自身がパイロキネシス。対する龍は眠るは「ある決闘の記録」を綴る 非能力者の男性。彼が知る2人の10代の少年が能力者。10代の少年という存在は、それだけで扱い難い(思春期…といより反抗期まっさかり?)なのに 特殊な能力がそれに加わるので、主人公と彼らの間に まごついた空気があるのが好きです。


事故と事件がひとつずつ。
どちらかと言うと事件の方がメインなのですが、解決してみると(読み終えてみると)、特殊な能力がなかったとしても ひとが生きていくためには自分を信じてくれるひと、理解者と呼べる存在が切実に必要なのだと しみじみ思うお話です。


ちなみに脳内で勝手にキャスティングした所、慎司は落合扶樹*1くん、直也は佐保祐樹くんです。観たいなぁ。

*1:サイズに無理があるけど