鋼の錬金術師 5&6巻 / 荒川弘

鋼の錬金術師(5) (ガンガンコミックス)鋼の錬金術師(6) (ガンガンコミックス)
鋼の錬金術師(5) (ガンガンコミックス)
鋼の錬金術師(6) (ガンガンコミックス)
作者: 荒川弘
出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
メディア: コミック
発売日
5巻: 2003/06/21
6巻: 2003/10/22
5巻はウィンリィの活躍っぷりが良かった。
アニメのウィンリィは時々言動に難ありだなーと思っていたのですが、原作の彼女は気持ち良いくらい機械オタで 素直に好きだと思えます(笑)。エド(の腕と足)に対する真摯さと、旅先で即決で弟子入りして修行することを決めてしまう思い切りの良さが好き。
・・・・・以下存分にネタバレ・・・・・


出産に立ち会うシーンも、医者の娘である彼女のならではのエピソード。
直接的に学んでいない彼女が、両親が残した本から(うろ覚えでも/苦笑)知識を得ていた所が良かった。家系とか血筋とかって曖昧だけど、両親が医者だったという事実は少なからず自負(…励み?)になっていたんじゃないかなぁと思いました。


続く6巻は最凶の師匠イズミさんがスゴイ!(笑)
シグさんとのらぶらぶっぷりもすごい。ええなぁ、この夫婦。素敵です。


ここからは長い長い回想の始まり。
師匠が話せと言ったのは、修行を終えてから「何があったのか」なんだろうけど、そもそも弟子入りした理由が それ以前の母親の死にあるので、ここで一気に過去編になったのですね〜。


まずは鬼師匠の修行のお話。
この辺は兄弟がちっこい頃(そしてアルが生身)のお話なので無条件でめろめろしてしまうわけですが(しょたこんめ)自然の法則を、ナイフひとつで一ヶ月生き抜く事で 学ぶという少々荒々しい方法…これ、結局「全は一」を理解できた(自分で気づけた)のはエドだけだったのかな…?それにしても、あんな歳で「自分が死んだらどうなる→みんなが悲しむ」という流れを 主観だと斬り捨ててしまうのが凄いな、と思いました。


人体練成に至るまでの兄弟の生活(修行中も、その後の村での生活も含めて)に、全然暗い影がないのが恐い…というか、質が悪い。幼いエルリック兄弟には「禁忌」の本当の意味なんて分かってなくて、悪い事…つまり「誰かに怒られるから やっちゃいけない」と捉えていたのではないかと思えてしまうほど。


若き日のロイ・マスタングに怒られた時にアルが言った「ごめんなさい」も、過去を話し終えてイズミさんに抱きしめられた時の「ごめんなさい」も、あまりにも幼くて、切ない。