鋼の錬金術師 11巻 / 荒川弘
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: コミック
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最初に読んだ時は もうひたすらその世界に没頭してしまったんですが、読み返すと描き方が上手いなぁと思います。ちゃんと描きたいシーンとか テーマがあって、落ち着くべきところも決まっているからこそ そこに至るまでのドラマに深みがるんだろうなぁ。
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・* 以下ネタバレ *・
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精神的な胃痛で吐きながらも、墓暴きをするエド。
最年少の国家錬金術師で、練成陣なしで錬金術ができるような「天才」だけど 弱くなるのも強くなるのも、全部大事なたったひとりの家族のためなんですよね。
エドが苦しい思いをして それでも自分の仮説のための事実を確かめた事が、結果的に「自分（たち）の求めた者ではなかった」証明になった。罪の意識から少なからず救われたアルとイズミ師匠がエドに「ありがとう」って伝える事で報われてるのかなぁ。この辺も、悲しい中にも暖かさがあって良いです。
それにしても親父の得体の知れなさにはびっくりしました。
トリシャとホーエンハイムの約束は、先に死なない とか、旅の帰り（＝研究の成果が出る時期）を待つとかでしょうか？実はエドとアルはホーエンハイムがトリシャを母胎として造ったホムンクルスじゃないかと思ってたんですが、今回のピナコのばっちゃんとの会話では そんな感じはしませんねぇ。ちら見せされているホムンクルスの親玉と同じヒゲの彼の事、「酷い事」は起こるのか、起こすのか、気になるところです。
昨日のアニメ感想で書いていた疑問が、原作の方ではしっかり描かれそう。
「持って行かれた」エドの左足とアルの肉体は真理の扉の「通行料」であって「人体練成の材料」に含まれていない（＝人間になり損ねた物体に再構築されていない）。そのアルの肉体が門の向こうに存在し、脳が活動を続けているのであれば、錬金術で再構築しなくても門を開けることさえできれば 現実世界に戻す事ができる…という事かな？
それに伴なって「寝る子は育つ」を軽やかに無視しているエドの身体にも、ある仮説（かつ、エドにとっての希望/笑）が立ちました。だけど、精神の混線って何だか危なっかしいなぁ。エドの身体が酷いダメージを受けたり 最悪の場合死んでしまったら、アルの身体も運命共同体として壊れてしまうということになりませんか。（ いや それもトキメくけど /←…）
1人の夜は嫌だと「泣く」アルに、私も号泣。
月（星？）明かりを浴びた鎧、トーンを削って光の筋（ハイライト）を入れて、それを涙に見せる。こんなに苦しそうなのに本物の涙が出ないという描き方が、もう・・・っ・・・（のた打ち回り）。
2人で旅をしていた間、夜はエドが眠る姿をずっとひとりで見てきて寂しかったんだろうなぁ。睡眠もそうだけど、エドの人一倍激しい喜怒哀楽（主に 怒 /笑）や暴走っぷりは それができないアルの分まで代わりにやってくれてるのかな。ウィンリィの涙も似たような理由でしたしね。
あとはー…傷の男VSエルリック兄弟の、タッグ攻撃がカッコいい。弟はオーソドックスに拳型なのに兄の方からヘンなもの出てます。これが「センス」だろうか（笑）。
それから、リン＆ランファンVSグラトニー＆ブラッドレイ。
ランファンなら気が読めるから大総統の正体を暴いて欲しいと思ったのですが、彼の「気」は他のホムンクルスと違って人間と同じ流れをしているようで反応できていませんでしたね…恐ー。ランファンの無事を祈るばかりです。ハボックさんも、どうにか立ち上がる術を見つけて欲しい。
以下予想メモ。
●クセルクセスが一夜にして滅んだ理由。
遺跡からリゼンブールへ帰ってきたエドが、このタイミングでホーエンハイムと出会う理由は何か。家を焼いたエドに対して「自分の過ちの跡を見たくないから」という言葉が、クセルクセス遺跡でホーエンハイムが何らかの実験を行い、その痕跡を隠したことを暗喩しているのではないか。
クセルクセスは「完全な人間」を造ろうとしたためという言い伝えがあり、遺跡にあった練成陣から、人体練成 もしくは賢者の石の練成を行ない 成功を収めた可能性がある。西の賢者・東の賢者と言われている人物とその技術は、もともとひとつの「もの」では。
実際の遺跡にある「双頭の鷲」ではなく「２頭の竜」が練成陣に描かれていたことから、現実のクセルクセスの遺跡（神事のための都）と何か関係があるかも…。門もあるし。
●ロイさんの意味深発言。
「焼死体をつくるのが得意」「共犯者」の言葉について。
「イシュヴァールの英雄」と称えられ、その功績を認められて昇格しているが、その際に犠牲になったと思われているイシュヴァール人の焼死体は ほとんどがでっち上げの可能性があるのではないか。
●医療錬金術
マルコーがダメなら、シン国勢がいる。
