バッテリーⅣ / あさのあつこ
- 作者: あさのあつこ,佐藤真紀子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: 文庫
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しかし読了後、ちょっと もやっとした。
天才と、そうでない者の組み合わせは 私の最も好むものなので、巧と豪がハタからみてイライラするくらい意識しすぎているのは抵抗無く読めました。
自分自身を信じて疑わなかった子が、自分の力を引き出す唯一無二の存在を、自分でコントロールできない(把握できない)他人の中に認識してしまった事で戸惑ってもがいて傷ついていく様子が 非常に興味深く、面白いのです。(←我ながら悪趣味だと思う)
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・* 以下ネタバレ *・
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その一方で瑞垣と門脇の関係が傷々しかった。
天才の一番近くにいるというのが、どういうものか。悩み、苦しんでいる豪に対する態度にはカチンと来たけど、もはや全てを諦めたような その口ぶりが悲しい。あさのさんの描く「少年」の呪縛から、どうにかもがいて半分抜け出したような子だなぁ。巧は別にしても、上手くやる事を良しとしない10代ならではの気概を持った他の子たちとは、どこか違います。
巧に度胆を抜かれ、ある意味で自分以上に賭けていた門脇の様子に戸惑い、(確信犯としか思えない)海音寺につつかれて、最終的には 脱ぎかけた「青春スーツ」(@ハチクロ)を しっかりと再装着していたようですが(笑)。高校の友人が瑞垣くんが好き、と言っていたのが ようやくわかりました。あの屈折っぷり、食えない加減はとても魅力的です(私信:トモさん元気ー?)。
あとは もう、青波が可愛くてかわいくてカワイクテ。
険悪なムードとか、張り詰めた緊張感がビシビシ伝わってくるシーンが殆んどだったので、終盤でこの子が登場した時には 本当に安心しました。小さい子相手に、ちゃんと年長者な態度をとれる少年たちの優しさにも和まされる。
最初の頃に比べて、周囲のキャラクタが いよいよ魅力的になってきて キャラ萌えになってしまいそうなのが不安です。吉貞くんとか、瑞垣&門脇は それくらい濃かった。個人的には海音寺と野々村あたりのお父さん(お母さん?)っぷりに転げまわりました。わかりやすいですか。わかりやすいですね。