明日なき街角 / 北方謙三

明日なき街角 (徳間文庫)

明日なき街角 (徳間文庫)

下宿まで鈍行4時間かけて帰る私に、父上が貸してくれた本。
恥ずかしながら、今まで北方謙三先生の本を読んだ事が無く、周囲に読んでいるひともいなかったので敬遠していたのですが、思っていたより読み易かった。そして読後感がすっきりして良い。


そもそもハードボイルド自体をあまり読ま無いひとなんです。
アクションものは好きだけど、一方的なボコりとか殺し合いは見ていて(読んでいて)気分が悪いし、話の展開的に「復讐」やら「報復」やらで更なる暴力シーンに系がるのが苦手。かろうじて高村薫先生の「リヴィエラを撃て」と「李欧」は読みましたが、硬派できれいめなあれらはハードボイルドなのかどうか悩む…。


そんな訳で。初めての北方ワールドだったのですが、アクションシーンは格好良いし、女性の扱いも生理的嫌悪を感じない程度で、何よりS気控えめで文章も難しすぎないのが良かったです。(←ハードボイルドを何だと思ってるんだ)


とにかく文章がカッコ良かったです。
かっちり整っていてべたべたしてなくて、何時間でも読んでいられそうな文章。ラストに感じたやるせなさも、嫌なものではなく「こうでなくっちゃ」と思わせるような爽快感とともにあったもの。ちょっとずつ他のものにも手を出してみようと思います。最終的には北方三国志が読みたい。