一瞬の風になれ / 佐藤多佳子

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-

読了。若い世代の言葉満載の一人称で綴られている物語。
陸上部って、もっと「個人プレー」なイメージがあったので、リレーにおけるチームプレー、チームメイトへの思いのような部分がとても新鮮でした。点を取るスポーツではないし、直接的な相手(敵)がいないせいで短絡的に考えてしまっていたと気付きました。長距離走に代表されるような「自分との戦い」というフレーズも大きいかも。

あと、後半部分の 新二が帰国した連に対して怒りを抑えられなくて無視→喧嘩ではないんだけど、上手く話し掛けられないっていう あの微妙な空気が良かったです。意地張ってたのは自分なだけに、折れどころがわからない時ってもの凄くもどかしいよ ね !色々思い出して赤面してしまった。

本屋対象受賞作品なので、他受賞作と同じように映像化されるのでは?という話をちらほら聴きますが、一人称ものの映像化って難しそうだなあ。ちなみに本作のラジオドラマには日野聡さんが出演してました。かっこ良いじゃないか、仙波くん。