海の底 / 有川浩

海の底

海の底

図書館戦争シリーズ以外もぜひ!とお友達がススメてくれたので、ありがたく拝借して読みました。

限りなく現実に近い世界観の中に存在する、滑稽なまでに異質なもの。しかし話は どシリアス。
設定だけ見ると特撮のようになりそうですが、冒頭のインパクトのある「死」によって特撮作品を見る時のような俯瞰から引きずりおろされました。3分リミットのスーパーヒーローなんか現れる筈もなく、人間が生身で扱う武器で戦うシーンは臨場感が溢れていて…というかもう無謀すぎて恐かったです。

パニック映画(特に生物系)は苦手なので、読みながら時々鳥肌たってました。映像化されたら困る。面白そうだけど、困る。あれがキチキチ動くとか勘弁してほしい。

作中で非常に共感したのは甲殻類を見て「虫がダメ」とのたまうところ。全然違う分類だってわかってるけど、感覚的に同じカテゴリに入っているんですよねー…。私もレガリス目の前にしたら「虫!」と拒否反応を起こしそう。そしてそのまま食われそう。

夏木と冬原のコンビは図書館戦争の堂上、小牧の原型っぽいな と思ったのですが、もしやこういうタイプの組み合わせが著者の好みなのでしょうか。