本所深川ふしぎ草紙 / 宮部みゆき

引き続き、宮部先生の時代物。
下にも書きましたが、こちらは短編集。ただ、「本所七不思議」として掲げられた七つの題材に沿って登場人物にも一貫性のある作品でした。これが噂の茂七親分か！と、わくわくしながら読み始め、あっという間に読了。

先に読んでしまった「ぼんくら」に比べて、がっつりとした満足感は無かったものの、ひとつひとつの物語の温度差や小粒だからこそのそのきっぱりとした味を最後まで楽しむ事ができました。

第一話の「片葉の芦」できゅーんとした後、休む間もなく読み始めた第二話「送り提灯」の、その最後の一文を読み終えた時には切なさとやるせなさにひとしきり絨毯の上でのた打ち回ってました。真夜中に。この二編は、ちょっと息継ぎをしてから読む事をオススメしたい。