死神の精度 / 伊坂幸太郎

死神の精度

死神の精度

初・伊坂でした。
実はこの本を借りた時、一緒に「○か○か○い物」という本も借りまして(中途半端に伏せてみる)。先に読み始めたソレのあまりにぶっとんだ内容(独特すぎる文体)に思わず手を止め、作者の経歴を調べたんです。すると、二度とお金を出して本を買わないと心に決めた作家さんとご縁のある方だとわかり、その本から逃げるようにして この「死神の精度」を読み始めました。

そんな経緯があったせいか、とても心穏やかになれる作品でした(…)。
某少年漫画じゃないけど、「職業:死神」を真面目にこなす男(千葉さん)が、善悪のどちらでもない存在である事が面白いです。時間が無かったので1回読んだだけなのですが、読み終えてから収録作品のシーンがじわじわとにじみ出てきて、ちょっと泣きそうになりました。死ぬ事に対する恐怖の出所を考えたくなる。

クライマックスの仕掛け自体はシンプルで古典的なのに、どうしてこんなに「やられた!」と思うんだろう。この裏切られた感は作家さんそのものに対する期待と直結しているので、今後も何作か借りてくる予定です。

なんとなく降り続けてるくせに全然止まない雨の中で読んだので、作品とシンクロして印象に残りました。